小学校入学までにかかるお金一覧(ランドセル・学用品・学習机)

年長の子を持つ知人のグループチャットを覗くと、秋口から「ラン活そろそろ始めた?」というやり取りが増えてくるという話を聞く。色や機能の話で盛り上がる家庭は多い。一方で、「結局、入学までにいくら用意しておけばいいのか」を数字で把握できている家庭は意外と少ないらしい。

公立小学校でも、入学の年は学用品・通学用品の負担が一時にまとまって発生する。金額の内訳を知っておけば、何にいくら使うかを事前に決めておくことができ、店頭で予算オーバーの商品を勧められても迷わずに済む。

目次

学校教育費の内訳を見る

学用品と通学関係費が中心

文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立小学校の学校教育費は1人あたり年間74,336円で、内訳は図書・学用品・実習材料費等が36.1%、通学関係費(制服・ランドセル等)が29.2%と、この2項目だけで全体の6割以上を占める。詳しい内訳は文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」のPDFに一覧で掲載されている。残りは学校納付金等が12.8%、修学旅行費等が9.0%、その他が7.8%、教科外活動費が4.2%、入学金等が0.7%という並びで、細かい費目まで見ておくと予算の抜けを減らしやすい。

公立小学校の学校教育費の内訳を示した棒グラフ
公立小学校の学校教育費の内訳(1〜6年平均) ※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に作成

この数字は1〜6年生の6年間を平均した金額であることに注意したい。制服やランドセルは基本的に入学の年にまとめて購入するため、実際の負担は入学年に大きく偏る。「6年間ならして年7万円程度」という感覚のまま入学準備に臨むと、初年度の出費の大きさに面食らうことになる。2〜6年生は同じ通学関係費でも修理や買い替えが中心になるため、支出のピークは1年生の春に来ると考えておいたほうが実態に近い。

学校教育費とは別に、給食費や学校外活動費(塾・習い事など)もかかってくる。今回は入学準備に絞って整理するが、学校生活全体でかかるお金を把握したい場合は、この学校教育費が全体の一部でしかない点も頭に入れておきたい。

就学援助という選択肢もある

経済的な事情がある家庭には、就学援助制度という支援策も用意されている。対象は生活保護法上の要保護者と、市町村が要保護に準ずると認めた準要保護者で、援助の中身には学用品費や新入学児童生徒学用品費等が含まれる。制度の枠組みは文部科学省「就学援助制度について」にまとめられている。準要保護者に対する援助は市町村が単独で実施しているため、認定基準は自治体ごとに異なる。所得の目安や必要書類も自治体によって差があるため、対象になるかどうかを自己判断せず、まずは窓口に相談してみるのが確実だ。就学援助の補助対象品目には、新入学児童生徒学用品費等のほかにも、学用品費・通学費・修学旅行費・学校給食費・クラブ活動費などが含まれている。入学準備の一時金だけでなく、入学後の学校生活全体を支える制度として設計されている点も知っておくと、活用の幅が広がる。

就学援助の対象・援助内容・支給タイミングを示した図
就学援助「新入学学用品費」とは ※文部科学省「就学援助制度について」を基に作成

通常の就学援助は入学後に支給される仕組みだが、「新入学学用品費」に限っては、入学前の3月に前倒しで支給する自治体が増えている。これは知っておくと助かる仕組みだ。前倒しを実施しているかどうか、申請の受付時期がいつからかは自治体ごとに違うため、対象になりそうな家庭は、年長になった時点で一度お住まいの教育委員会へ問い合わせておくと入学準備の資金計画が立てやすくなる。申請の受付が前年の秋から始まる自治体もあれば、年明けからという自治体もある。「入学してから相談すればいい」と後回しにすると、前倒し支給の申請期間そのものを逃してしまうことがあるため、対象になりそうな家庭ほど早めの確認が欠かせない。

ランドセルにいくらかけるか

平均は62,034円、幅は大きい

ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査2026年」によると、2026年の平均購入金額は62,034円で、前年より1,200円以上上がっている。年々じわじわと上がっている。価格帯で見ると65,000円以上を選んだ層が46.0%と半数近くを占め、高価格帯への支持が全体の平均を押し上げている構図が見える。決め手になっているのは価格ではない。同じ調査では、購入したランドセルを決めた理由として「子どもの好きな色だった」が52.5%でもっとも多く、「デザインがよかった」が35.1%で続いている。価格や機能よりも見た目の好みが決め手になる傾向は、毎年の調査でも変わっていない。

ランドセルの購入金額帯の分布を示した横棒グラフ。24,999円以下6.3%、25,000〜39,999円8.6%、40,000〜54,999円14.2%、55,000〜64,999円18.1%、65,000円以上46.0%、よくわからない6.8%
ランドセルの購入金額帯(2026年) ※ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査 2026年」を基に作成

一方で24,999円以下で購入した家庭も6.3%存在する。高機能・高価格帯だけが選択肢ではない。「まわりが高いものを買っているから」という理由だけで予算を決めるのではなく、6年間使う道具として何を優先するかを夫婦で先に話し合っておくと、店頭での予算のブレを抑えやすい。祖父母がランドセル代を負担する家庭も多く、その場合は予算の上限が変わってくる。誰がどこまで出すのかを早めにすり合わせておくと、店頭で急に方針を変える事態になりにくい。

平均価格は年々上がっている

同じ調査の推移を見ると、平均購入金額は2018年の51,300円から2026年の62,034円まで、8年間で1万円以上上がり続けている。値上がりの背景には、素材や機能の高度化に加えて、子ども一人あたりにかける金額そのものが増えている傾向があるとみられる。

ランドセル平均購入価格の推移を示した棒グラフ
ランドセル平均購入価格の推移 ※ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査」各年版を基に作成

検討開始の時期にも傾向がある。同調査では、検討を始めた時期は入学前年の4月が16.7%でピークで、入学前々年の12月も14.9%と高い。人気モデルは早い時期に完売することもあるため、「まだ先」と思っているうちに候補が絞られてしまうこともある。実店舗で背負い心地を確かめてからオンラインで注文する家庭も多く、GMSや大型スーパー・モールを訪れる割合が調査でも最も高くなっている。候補を2〜3個に絞ってから店舗へ行くと、比較検討にかかる時間を短縮できる。

学用品・学習机はどう考えるか

指定品と自由に選べる物を分ける

体操着・上履き・給食袋・道具箱など、学校ごとに指定がある学用品は、入学説明会で配布される案内に従って揃えることになる。一方で、筆箱や色鉛筆など指定のない学用品は、キャラクターものから無地までデザインの幅が広く、ここで予算をかけすぎると学用品費全体が膨らみやすい。指定の有無を先に仕分けておくと、優先順位をつけて予算配分がしやすくなる。名前つけも見落としやすい作業のひとつだ。鉛筆1本から上履きまで、細かい持ち物すべてに記名する必要があり、入学式の直前にまとめてやろうとすると想像以上に時間がかかる。学用品を買いそろえるタイミングで、記名用のスタンプやシールも一緒に用意しておくと入学式前の負担が減る。

学習机は「買うかどうか」から検討する

学習机については、購入するかどうかを含めて検討している家庭が多いという話をよく聞く。低学年のうちはリビング学習を続け、必要になった段階で学習机を導入する家庭もあれば、入学と同時に自室と机を用意する家庭もある。どちらが正解というものではなく、家の間取りや子どもの学習スタイルに合わせて決めることになる。買うと決めた場合は、成長に合わせて高さを調整できるタイプかどうかを確認しておくと、長く使い続けやすい。置き場所の確保も意外と見落とされがちだ。子ども部屋がまだ決まっていない家庭では、リビングの一角に学習スペースを作る形で入学を迎えるケースも多いという話を聞く。机そのものより先に、どこで勉強させるかを決めておくほうが、結果的に無駄な買い物を防げる。

保育園時代にかかっていた費用と比べてみたい場合は、保育料はいくらかかるかもあわせて確認しておくと、就学前後での家計の変化を把握しやすくなる。負担が消えるだけではない。保育料が家計から消える一方で、学用品費や学童保育の費用が新たに発生するため、「小学校に上がったら急に楽になる」というイメージだけで予算を組むと見込み違いが起きやすい。

入学準備の段取りチェック

ここまでの内容を、入学までに確認しておきたい項目としてチェックリストにまとめた。年長になった春から秋にかけて、一つずつ潰していくイメージで使ってほしい。

入学準備品チェックリスト
入学準備品チェックリスト ※ランドセル工業会・文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に作成

今も正解かは分からないが、金額の相場を先に知っておくだけでも、店頭で焦って決める場面は減らせるはずだ。就学援助の対象になりそうな家庭は、申請の前倒しがあるかどうかを早めに確認しておくといい。きょうだいがいる家庭では、上の子の学用品や体操着をそのまま使えることもある。サイズが合うかどうかだけ入学前に確認しておけば、新品で買いそろえる項目を減らせる場合がある。学校によっては指定品の仕様が数年で変わることもあるため、上の子の入学から時間が空いている場合は、念のため学校側に確認しておくと安心だ。

参考書籍(PR)

教育費にどれだけかけるかを考えるとき、『「学力」の経済学』を読み返すことがある。教育投資の効果をデータで示した内容で、学用品や習い事にどこまで予算を割くかを考える際の判断材料になる。0〜6歳の子育て全体を見渡したい場合は、『子育てベスト100』も入学準備の章までまとめて目を通しておくと参考になる。

「学力」の経済学 [ 中室 牧子 ]
子育てベスト100 「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり [ 加藤 紀子 ]

免責

本記事の内容は2026年8月時点の公的情報・民間調査に基づいています。就学援助の運用や物価の変動により金額・条件は変わる可能性があるため、実際の準備にあたっては、お住まいの自治体や各学校からの案内で最新の情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

4人家族で妻、息子、娘で関西に新築建てて住んでいます。日々、家族の要望に応えられるように未来に関係しそうなことやお金に関すること調べてこっそり、生活に取り入れています。

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