結婚式の見積もりで上振れしやすい項目トップ5

結婚式の見積もり 上振れ項目トップ5 アイキャッチ

「思っていたより、ずいぶん上がりましたね」。式場の打ち合わせ室で、プランナーが差し出した2回目の見積書を見て、思わず声が漏れた——という話をよく聞く。最初にもらった見積もりでは280万円台だったのに、料理のグレードを上げ、装花を少し華やかにしただけで、気づけば380万円に近づいている。何にそんなに使ったのか、明細を見返してもすぐには思い出せない。契約書にサインした日は「これで安心」と思っていたはずなのに、打ち合わせを重ねるたびに金額だけが独り歩きしていく感覚は、実際に式場探しをした人なら一度は覚えがあるはずだ。

これは、珍しいことではない。見積もりが最初より上がるのはむしろ普通で、しかも上がりやすい項目はあらかじめ決まっている。上振れしやすい5項目を先に知っておけば、最初の見積もりの段階で「ここは膨らむ前提で聞いておこう」と手を打てる。この記事では、その5項目と、初回見積もりの場でチェックしておきたいポイントを整理する。

目次

見積もりは上がって当たり前

上がりやすさは、項目ごとにはっきり差がある。ゼクシィ公式サイトが『ゼクシィ結婚トレンド調査2020』の数値として公開しているランクアップ率は、料理65.2%、衣裳62.4%、写真・ビデオ50.1%、会場装花・装飾43%、ドリンク34%の順だ。料理と衣裳は6割を超えるカップルが、初期見積もりより上のランクを選んでいる。着地点の目安も押さえておきたい。「ゼクシィ結婚トレンド調査2024 全国版」によると、挙式・披露宴の総額の平均は343.9万円、招待客人数の平均は52.0人で、前年調査から16.8万円増えている。

アイテム別のランクアップ率 料理65.2% 衣裳62.4% 写真ビデオ50.1% 会場装花43% ドリンク34%。出典はゼクシィ「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」
アイテム別のランクアップ率 ※ゼクシィ「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」を基に作成

なぜ最初の見積もりは低く出るのか。理由は単純で、初回来館の時点ではふたりがどんな演出をしたいか、ゲストを何人呼ぶかがまだ決まっていないことが多いからだ。そのため式場側は、料理も衣装も装花も一番グレードの低い内容、ゲストも少なめの人数で試算して見積もりを作る。打ち合わせが進んでゲストの人数や演出が具体化するにつれて、そこに一つずつ金額が積み上がっていく。上がること自体を完全に防ぐのは難しい。防げるのは「想定外の上がり方」をされることだけだ。

上振れしやすい項目トップ5

上のランクアップ率と、初期見積もりにそもそも含まれない費目を合わせると、上振れの発生源は5つに整理できる。この記事では料理とドリンクをまとめて1つとし、写真・ビデオのアルバム代などは「見積もりに入っていない項目」に含めて並べた。

上振れしやすい項目トップ5 ランキング一覧。概念図(実測データではありません)
上振れしやすい項目トップ5 ※概念図(実測データではありません)

1位: 料理とドリンクのグレード

もっとも上がりやすいのが、ゲストに出す料理と飲み物のグレードだ。おもてなしの気持ちから、ひとりあたり数千円のランクアップを選ぶカップルは多い。ここで見落としがちなのが、人数との掛け算で効いてくるという点だ。ひとり3,000円のランクアップでも、ゲストが60人なら18万円、80人なら24万円が上乗せされる。単価だけを見て「数千円なら」と決めると、人数分をかけた時点で想定より大きな金額になっている。ゼクシィ結婚トレンド調査2020でも、料理のランクアップ率は65.2%と全項目で最も高い。単価の小ささに油断すると、総額で驚くことになる項目だ。

2位: 新婦の衣装代

次に上がりやすいのが新婦の衣装だ。初期見積もりに含まれるプラン内のドレスは選べる種類が限られていることが多く、着たいデザインを選ぼうとするとランクアップ料金が発生する。お色直しをする場合は衣装代がほぼ倍になる計算になるため、1着で数十万円の差が出ることも珍しくない。親族の和装レンタルや着付け代、ヘアメイクの追加、披露宴後にヘアメイクを直してもらう「引き上げ料」が初期見積もりに含まれていないケースもあり、こだわりたい人が多い項目だからこそ、ここは予算に余裕を持たせておきたい。

3位: 装花のボリューム

会場に飾る花も、卓数や花材のグレードによって大きく変わる項目だ。高砂などメインテーブルを華やかにすれば、その分ゲストテーブルや会場全体の装花費も引きずられて上がりやすい。季節の花を選ぶか、桜のような特定の時期にしか出回らない花を選ぶかでも金額差が出る。ウェルカムスペースやウェディングケーキ周りの装花は、初期見積もりに含まれていないことが多いため、必要なら別途金額を確認しておく必要がある。高砂を華やかにするならゲストテーブルは抑える。どこにお金をかけるかを先に決めておくと、装花全体の金額は動きにくくなる。

4位: 演出関連のオプション

フラワーシャワーやフォトシャワーといった入場・退場の演出は、ひとつずつは数万円でも積み重なると総額を押し上げる。プロフィールムービーやエンドロールムービーの制作費も同様だ。司会進行や音響・照明、スクリーンの使用料も演出のたびに加算されていく。「やりたい演出」を挙式前にすべて洗い出しておかないと、打ち合わせのたびに追加が発生する仕組みになっている。ムービー類を手作りにする、席次表や席札をDIYするといった対応で費用を抑えたカップルもいるが、持ち込み料がかかる式場もあるため事前確認は欠かせない。

5位: 見積もりにない項目

最後の1項目は、特定の費目というより「見積もりに最初から入っていないもの」全般だ。フラワーシャワーの花代や入場演出の設備代は、初期見積もりの明細に現れないことが多い。ケーキ周りの装花、写真・映像のアルバムやデータ購入費も同様だ。式場外の出費もある。招待状の切手代やゲストへのお車代、遠方ゲストの宿泊費、ふたり自身の前撮りや宿泊費は見積もりの外側にある。これらを「別枠の予算」として最初から見込んでおくと、最終見積もりを見たときの衝撃が小さくなる。

見積もりに入っていない項目のチェックリスト。概念図(実測データではありません)
見積もりに入っていないもの(例) ※概念図(実測データではありません)

上振れの具体例

数字で見るとイメージしやすい。招待人数60名、初期見積もり300万円というケースを想定してみる。料理をひとり3,000円グレードアップすると18万円。ドレスのランクを一段階上げると20万円前後、装花を高砂中心に華やかにすると10万円前後かかる。フォトシャワーなどの演出オプションを2つ足すと15万円前後、フラワーシャワーやケーキ装花など見積もり外の項目をまとめて10万円前後——それだけで73万円ほど積み上がる計算になる。1項目あたりは10万〜20万円台でも、5つ重なれば70万円を超える。「あちこちを少しずつ良くしただけ」の積み重ねが、最終的に大きな差になって現れる構造がよく分かる。逆に言えば、5項目のうちどこにお金をかけてどこを抑えるかを事前に決めておくだけで、同じ内容でも予算内に収めやすくなる。

料理グレードアップの人数別影響額の計算例。概念図(実測データではありません)
料理の単価アップは人数分すべてに掛かる ※概念図(実測データではありません)

初回見積もりで確認したいこと

上振れを完全に避けることはできないが、初回の見積もりをもらう段階で次の点を確認しておくと、後からの上がり方が読みやすくなる。手元の見積書では、この5項目がどう書かれているだろうか。

初回見積もりで確認したい5つのポイント。概念図(実測データではありません)
初回見積もりで確認したい5つ ※概念図(実測データではありません)
  • 料理・飲み物・衣装のグレードは、初期見積もりが「一番安い設定」かどうかをプランナーに確認する
  • ゲスト人数は、少なめではなく多めに見積もった人数で試算してもらう
  • フラワーシャワーや入場演出、ケーキ装花など「入っていない可能性が高い項目」を個別に聞く
  • やりたい演出は、金額が固まる前の段階ですべて洗い出してから見積もりに反映してもらう
  • 持ち込み料の有無を契約前に確認し、外部手配とどちらが得か時間と手間も含めて比較する

契約前の交渉は、契約後よりも通りやすい。挙式料や会場使用料のような「変動しない項目」は契約前であれば値引きの余地が残っていることもある。どこまで通るのかは、別記事「結婚式費用の値引き交渉、実際どこまで通るのか」で契約前後の線引きごとに整理している。いくつかの式場で迷っている場合は、同じ条件で見積もりを出してもらうと式場ごとの上がり方の違いも見えてくる。見積もりは初回・中間・最終と複数回もらうのが一般的なので、大きな変更があるたびに都度出してもらうよう頼んでおくと、金額の推移を追いやすい。

見積もりを比較するときは、金額の合計だけでなく「何が含まれていて、何が含まれていないか」の内訳を式場ごとにそろえて見比べることも忘れないでおきたい。合計額が安く見えても、演出や装花のグレードが低い設定で試算されているだけということもある。担当プランナーに「この金額には何が入っていないか」を先に聞いておくと、後から追加される項目の見通しが立てやすくなる。

5項目を先に押さえる

結婚式の見積もりは、料理と衣裳を中心に、契約後も動いていく。上がりやすいのは料理・衣装・装花・演出、そして見積もりに含まれていない項目の5つだ。いずれも「グレードアップ」か「そもそも入っていない」かのどちらかに分類できる。最初の見積もりをもらった時点でこの5項目を一つずつ確認しておけば、打ち合わせが進むたびに驚かされることは減っていくはずだ。個々の式場や条件によって上がり方は変わるため、最終的な判断は担当プランナーとの相談を通じて進めてほしい。

初期見積もりがそもそもなぜ低く出るのかという仕組みの部分は、当サイトの別記事「結婚式の初期見積もりが上がる仕組みと防ぎ方」でも詳しく取り上げている。今回のトップ5と合わせて読むと、式場との打ち合わせで何をどの順番で確認すればいいかがより具体的に見えてくるはずだ。式場見学の段階からこの5項目を意識してメモを取っておくだけでも、最終見積もりを受け取ったときの心構えはずいぶん変わる。

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※本記事の内容は一般的な情報提供を目的とした整理であり、個々の式場の費用や上がり方を保証するものではありません。契約前には必ず式場から詳細な見積もりを取り、不明点を確認したうえでご判断ください。

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この記事を書いた人

4人家族で妻、息子、娘で関西に新築建てて住んでいます。日々、家族の要望に応えられるように未来に関係しそうなことやお金に関すること調べてこっそり、生活に取り入れています。

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