車の維持費は、毎年5月に届く自動車税と、2年ごとの車検の法定費用(重量税・自賠責保険料・検査手数料)と基本料金、任意保険、駐車場、燃料、整備でできています。
税と自賠責保険料と手数料は公的な表で決まります。家計で動かせるのは、保険・駐車場・燃料・整備と車検の基本料金です。
自賠責保険料は、2026年11月1日以降に始まる契約から上がります。通知書や見積書が届いたら、それぞれを1年分に直して並べ、乗り続けるか手放すかを自分の数字で比べます。
車の維持費で先に知っておく数字
- 30,500円2019年10月以後に新車で登録した、1.5L以下の自家用乗用車の自動車税(年額)です。
- 45,010円車両重量1.5t以下でエコカー外の車の、11月1日以降の車検の法定費用です。重量税24,600円、自賠責18,560円、検査手数料1,850円の合計です。
- 28,355円二人以上の世帯の自動車等関係費の月平均です(2025年)。車を持たない世帯も含めた平均です。
確認 2026-10-30・根拠は本文の表に
数字と決まりは、2026年10月30日に、総務省、国土交通省、東京都主税局、損害保険料率算出機構、資源エネルギー庁、自治体の公式ページなどで確かめました。
毎年5月の自動車税と軽自動車税
自動車税は、4月1日時点の車の持ち主にかかり、5月に納税通知書が届きます。自家用の乗用車は総排気量で額が決まり、2019年10月1日以後に新車で登録した車は、その前の車より低い表を使います。
| 総排気量 | 2019年10月以後の登録 | 2019年9月以前の登録 | 13年を超えた車(重課) |
|---|---|---|---|
| 1L以下 | 25,000円 | 29,500円 | 33,900円 |
| 1L超1.5L以下 | 30,500円 | 34,500円 | 39,600円 |
| 1.5L超2L以下 | 36,000円 | 39,500円 | 45,400円 |
| 2L超2.5L以下 | 43,500円 | 45,000円 | 51,700円 |
| 2.5L超3L以下 | 50,000円 | 51,000円 | 58,600円 |
| 電気自動車 | 25,000円 | 29,500円 | なし |
出典:千葉県「令和8年度自動車税税率及び月割税額早見表」、東京都主税局(確認日 2026年10月30日)。自家用の乗用車の年額です。3Lを超える区分は、車の維持費の計算の前提の表に載せています。
重課は、新車の登録から13年を超えたガソリン車・LPG車と、11年を超えたディーゼル車にかかり、税額が概ね15%上がります。
2026年度は、ガソリン車なら2013年3月以前、ディーゼル車なら2015年3月以前に登録した車が対象です。ハイブリッド車や電気自動車は対象外で、2019年10月以後に登録した車はまだ重課の年数に届きません。
2026年4月1日から「自動車税(種別割)」は「自動車税」に呼び方が変わり、車を買うときにかかっていた環境性能割は2026年3月31日で廃止されました(総務省)。
軽自動車税(四輪の自家用乗用)は、初度検査が2015年4月以降の車が年10,800円、2015年3月以前の車が7,200円です。
2013年3月以前の車は重課で12,900円になります(富山市)。ハイブリッドや電気の軽自動車は、重課の対象外です。
年度の途中で買う・手放すとき
普通車と小型車の自動車税は、年度の途中で新しく登録すると、登録の翌月から3月までの月割でかかります。
抹消登録(廃車)をすると、翌月以降の分が月割で戻ります。名義を移すだけなら、その年度の分は前の持ち主が納めます(東京都主税局のよくある質問)。
軽自動車税には月割の決まりがありません。4月2日以降に手放しても、その年度の分は全額かかり、戻りません(青森市)。
車検の年の法定費用
車検のたびに払う法定費用は、自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料の3つです。どれも国などの表で決まるので、どの業者に頼んでも額は同じです。
自動車重量税(2年分)
重量税は車両重量で決まり、2026年5月1日から2028年4月30日までの車検では次の表を使います。車検証の「車両重量」で区分を見ます。
| 車両重量 | エコカー(本則) | エコカー外 | 13年経過 | 18年経過 |
|---|---|---|---|---|
| 1t以下 | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
| 1.5t以下 | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
| 2t以下 | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
| 2.5t以下 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
| 軽自動車 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
出典:国土交通省「2026年5月1日からの自動車重量税の税額表」、軽自動車検査協会(確認日 2026年10月30日)。2年自家用の額で、エコカー減税で免税になる車もあります。
0.5t以下と3t以下の区分は、計算ツールの前提の表に載せています。
13年・18年で上がるのは、本則税率や免税の対象にならない車です。
普通車と小型車は、初度登録年月から12年10か月以後に受ける車検から「13年経過」の額になります。軽自動車は、初度検査の年から13年を経た年の11月以後の車検からです。
自分の車の次の額は、国土交通省の次回自動車重量税額照会サービスで調べられます。
自賠責保険料(24か月)
自賠責保険料は、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約から、平均6.2%上がります。10月31日までに始まる契約は、今の額のままです。
| 区分(離島と沖縄県を除く) | 10月31日までに始まる契約 | 11月1日以降に始まる契約 |
|---|---|---|
| 自家用乗用車 | 17,650円 | 18,560円 |
| 軽自動車 | 17,540円 | 18,660円 |
出典:損害保険料率算出機構、同「自動車損害賠償責任保険基準料率(2026年4月30日届出)」(確認日 2026年10月30日)。
検査手数料
検査手数料は、2026年4月1日から改定されました。
整備工場やディーラーに頼み、保安基準適合証を使ってOSS(ワンストップサービス)で申請する場合は1,850円、OSSを使わない申請は2,100円です。
自分で持ち込むユーザー車検は、普通車が2,600円、小型車と軽自動車が2,500円です(国土交通省)。
例えば、車両重量1.5t以下でエコカー外の車を整備工場に頼むと、11月1日以降の車検の法定費用は24,600円+18,560円+1,850円で45,010円です。自賠責が10月31日までに始まる契約なら、44,100円です。
車検の基本料金は見積書の3項目で比べる
法定費用のほかにかかるのが、点検や手続きの基本料金です。定期点検料、完成検査料、代行手数料の3つに分かれ、ここは業者ごとに額が違います。
見積もりは、車検の満了日の1〜2か月前に2社以上へ頼みます。比べる前にそろえる条件は、税込か税別か、割引の前か後か、法定費用を含むかどうかの3つです。そろえないと、同じ車でも1万円単位で違って見えます。
推奨整備(性能を保つためにすすめられる整備)は、見積もりの段階で説明されることが多く、頼むかどうかを選べます。部品の交換は、走行距離や年式を見て決めます。
ディーラーと車検専門店の料金表を並べた例は、車検の見積もりはどこで差がつくかにあります。
運輸支局や軽自動車検査協会に自分で持ち込めば、点検料や代行手数料はかかりません。ただし、平日の日中に出向く時間がいるうえ、通らなかった箇所は自分で直して受け直します。
任意保険は証券の欄で確かめる
任意保険の保険料は、等級、運転者の範囲、年齢条件、車両保険の有無で大きく変わります。平均と比べるより、保険証券かマイページで次の欄を見ます。
- 運転者の範囲:「家族限定」に、別居している親は入りません。祖父母に送迎を頼むなら、範囲を確かめます。
- 運転者年齢条件:範囲の中でいちばん若い人に合わせた区分にします。
- 車両保険:付けているかどうかと、自己負担額(免責金額)を見ます。
- ノンフリート等級:はじめての契約は6等級(S)で3%の割増です。11等級以上の契約があり条件を満たせば、2台目は7等級(S)の38%割引から始められます(あいおいニッセイ同和損保)。
家族限定と年齢条件、セカンドカー割引の条件は、祖父母に送迎を頼む前に、自動車保険の家族限定と等級を確かめるにくわしくあります。保険料の払い方と契約の洗い出しは、保険の見直し手順と払い方で確かめられます。
祖父母に送迎を頼むとき
家族限定の契約のまま、別居の祖父母が家の車を運転すると、補償の範囲の外になります。範囲の特約を外して「限定なし」にすると、別居の親族は年齢条件にかかわらず補償されますが、保険料は上がります(三井ダイレクト損保)。
ほかに、祖父母が自分の車で送迎する形や、祖父母の保険の他車運転特約を使う形があります。他車運転特約の対象は臨時に借りた車なので、曜日を決めて通う送迎が当たるかは、祖父母の契約先に確かめます(三井ダイレクト損保の用語集)。
燃料代は月の走行距離から出す
月の燃料代は、月の走行距離÷燃費×1Lの単価で出せます。月500km走り、燃費が1Lあたり15km、単価が170.1円なら、約33.3Lで月5,670円ほどです。
資源エネルギー庁の石油製品価格調査では、2026年10月26日のレギュラーガソリンの全国平均は1Lあたり170.1円でした。
調査は原則毎週月曜日で、水曜日に公表されます(資源エネルギー庁)。地域で差があるので、計算には自分がよく入れる店の単価を使います。
1年分に直して並べる
払う時期がばらばらなので、1年あたりの額に直してから足します。車検の費用は2年に1回なので、半分を1年分にします。
| 費用 | 払う時期 | 1年分への直し方 |
|---|---|---|
| 自動車税・軽自動車税 | 毎年5月 | 通知書の額のまま |
| 車検の法定費用 | 2年ごと | 2で割る |
| 車検の基本料金 | 2年ごと | 2で割る |
| 任意保険 | 年払いか月払い | 月払いは12倍 |
| 駐車場 | 毎月 | 12倍 |
| 燃料 | 給油のたび | 月の額を12倍 |
| 整備・消耗品 | オイルやタイヤの交換のたび | 1年の合計 |
自分の車の数字を入れて、1年あたりと月あたりの額、次の車検の法定費用を出すときは、車の維持費の計算を使えます。税と手数料は前提の表から出し、保険や駐車場は自分の額を入れます。
総務省の家計調査で、2025年の二人以上の世帯の自動車等関係費は月平均28,355円でした。
前年より名目15.2%増えましたが、前年に一部の自動車メーカーの生産・出荷が止まった反動が大きいと説明されています(総務省統計局)。
この額は車を持たない世帯も含めた平均で、車を持つ家庭の負担とはそのまま比べられません。比べる相手は全国の平均ではなく、去年の自分の家の額です。
手放す・カーシェアに替えるときの比べ方
車を手放すかどうかは、1年分に直した今の維持費と、手放したあとにかかる移動の費用を並べて考えます。カーシェア、レンタカー、タクシー、自転車と公共交通を、使い方に合わせて組み合わせた月の額で比べます。
費用のほかに、急な通院や送迎にすぐ動けるか、雨の日や連休に予約が取れるかも比べます。
自宅から歩ける範囲にカーシェアのステーションがいくつあるかは、各社の検索で確かめられます。決める前に、平日の送り迎えを1週間ほど別の手段で試すと、無理のある日が見えます。
手放すと、普通車と小型車は抹消登録の翌月以降の自動車税が月割で戻ります。軽自動車税は戻りません。駐車場と任意保険の解約の扱いは、それぞれの契約で確かめます。
試算の例と判断の基準は、車を手放すかどうか、カーシェアの試算と3つの基準で決めるにあります。
見直す時期をカレンダーに入れる
- 5月:自動車税・軽自動車税の通知書が届いたら、前の年の燃料と整備の額も合わせて書き出します。
- 車検の1〜2か月前:見積もりを2社以上に頼み、基本料金の3項目と法定費用を分けて比べます。
- 任意保険の更新の前:運転者の範囲、年齢条件、等級の欄を、家族の今の使い方と照らします。
- 2026年11月1日:自賠責保険料が上がります。11月以降の車検では、24か月の自賠責が自家用乗用車で910円、軽自動車で1,120円増えます。
税や保険料が変わる月は、制度改正カレンダーにもまとめています。
次に読む
- 車検の見積もりはどこで差がつくか:ディーラーと車検専門店の料金表を並べた例を見るときに
- 車を手放すかどうか、カーシェアの試算と3つの基準で決める:カーシェアに替えたときの試算と、決める前の試し方を見るときに
- 祖父母に送迎を頼む前に、自動車保険の家族限定と等級を確かめる:運転する人を増やす前に、保険の欄を確かめるときに
- 固定費の見直しの順番と時期:サブスク・スマホ・保険・電気とガス・住居費、年末と引っ越し:車のほかの固定費も、あわせて見直すときに
- 帰省の移動は車と新幹線どちらが安いか:年末年始の予約開始日と休日割引(2026-27年):帰省や連休の移動の費用を比べるときに
- 固定費の見直しの計算:保険などを見直したときの、月の差と1年目に浮く額を出すときに
本記事で紹介した税額・保険料・手数料と決まりは、2026年10月30日に総務省、国土交通省、東京都主税局、千葉県、損害保険料率算出機構、資源エネルギー庁、自治体の公式ページなどで確かめた情報を基にした一般的な説明です。実際の額は、車の種類・年式・重量・地域・契約の時期で異なり、制度の改定で変わることがあります。納税通知書、車検の見積書、保険証券で確かめたうえで、ご自身の状況に合わせてご判断ください。特定の車や業者、保険商品をすすめるものではありません。個別の家計については、必要に応じてファイナンシャルプランナーなど専門家にご相談ください。
