2026年10月に、学童に入れなかったときの預け先を小学校の年間費用と学童のガイドと小学校入学の手続きとお金 早見表にまとめ直しました。2026年5月1日の速報値と、預け先ごとの公的な出典は、ガイドに載せています。
「学童、落ちちゃったんだって」——3月の小学校の昇降口や公園のベンチで、そんな会話が聞かれることがある。学童保育(放課後児童クラブ)の利用調整の結果が届くのは、たいてい2月から3月にかけてだ。そこに「利用不可」の通知が入っていたとき、次に動かなければならないのは4月からの毎日の組み立てそのものになる。共働きの家庭にとって、学童に入れないという知らせは重い。誰が何時に迎えに行くかという生活の骨格を、入学式より先に組み直す作業を突きつけてくるからだ。
結論を先に言うつもりはない。選べる代替の幅はひとつではないからだ。民間学童、ファミリー・サポート・センター、放課後子供教室のように、費用も時間帯も性格が違う仕組みが並んでいる。まず、待機している子どもがどれくらいいるのかという全体像から確かめておきたい。
行き先は、ひとつに絞らなくていい。
学童の待機児童、いまの数

こども家庭庁が公表した「令和7年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」によれば、2025年5月1日時点で学童を利用できなかった児童(待機児童)は全国で16,330人だった。前年の17,686人からは1,356人減っている。登録児童数そのものは1,570,645人で過去最高を更新しており、学童そのものの需要は増え続けている。
学年別に見ると、最も多いのは小学4年生で5,589人、全体の34.2%を占める。小学3年生が3,305人(20.2%)で続く。低学年(1〜3年生)より高学年の割合が高いのが特徴だ。低学年を優先する仕組みのもとでは、学年が上がるにつれて、点数は足りているはずなのに外れるという事態が起きやすくなる。こども家庭庁の実施状況調査を見ると、この学年別の偏りは前年から続く傾向だとわかる。
この16,330人という数字は、5月1日という1日だけを切り取った調査値だ。同じ資料には10月1日時点の速報値も載っている。そちらでは7,363人まで減っており、年度の途中で退所が出て枠が空いていく様子がうかがえる。ただし、これは4月の入り口では役に立たない話だ。

都道府県別では、東京都が3,360人で最も多い。埼玉県が1,681人、兵庫県が1,464人、千葉県が1,106人、神奈川県が1,067人と続く。資料は、この5都県で全体の約5割を占めると書いている。待機児童がいる市町村は377で、全市町村の2割強にあたる。住んでいる地域によって、待機児童がほぼ出ない場合と、毎年一定数が漏れる場合の差が大きい。
学童に入れない理由と優先順位
学童の利用調整は、自治体ごとに定めた優先順位表に沿って行われる。就労時間の長さ、ひとり親家庭かどうか、下の子の有無、障害の有無などをポイント化し、点数の高い家庭から枠が割り当てられる仕組みだ。募集人数そのものが小学校区ごとに固定されているため、家庭の点数が前年と同じでも、周辺の家庭の点数が上がれば順位は下がる。
ここで見落とされやすいのが、学童に入れなかった子どもの行き先を、自治体側がどこまで把握しているかという点だ。同調査では、放課後児童クラブ以外に自治体が関与する居場所事業がある市町村は205、待機児童がいる市町村のうちの54.4%にとどまる。その事業の利用児童数まで把握している市町村は、さらに少ない54(14.3%)だった。同資料の該当箇所を見ると、学童に入れなかった子どもの行き先は、半分近くの自治体で追跡されていないことになる。行き先を探すのは、結局それぞれの家庭になる。
終了時刻の壁も見落とされやすい。同調査によれば、平日の学童の終了時刻は18時31分から19時までが54.9%と最も多く、19時1分以降まで開いているクラブは7.4%にとどまる。フルタイムで残業がある家庭には、そもそも学童に入れたとしても、この終了時刻が壁になる場面がある。
費用より先に、時間の壁が効く。
代替の選択肢を並べて見る

学童に代わる預け先として名前が挙がるのは、主に3つある。民間学童、ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)、放課後子供教室だ。それぞれ運営の主体も、費用の決まり方も別物になる。ひとつの尺度で優劣をつけるより、家庭の状況に合わせて組み合わせる方が実際的だろう。
民間学童を運営するウィズダムアカデミーの解説によれば、公立学童の利用料は自治体によって差はある。それでも、月4,000円から8,000円前後の設定がほとんどだという。公立・民間を合わせた学童全体の月額利用料で見ても、4,000円から8,000円の層が約48%を占める。対して民間学童は月30,000円から50,000円前後が目安だという。送迎や延長保育、長期休暇中の終日保育を組み合わせると、月50,000円から70,000円になる場合もある。
ただし、この30,000円から50,000円という幅は運営会社の見立てであって、統計から出た数字ではない。同じ解説が引いている厚生労働省の調査では、放課後児童クラブで月額20,000円以上を徴収しているのは1.1%にとどまる。ウィズダムアカデミーの料金解説には、その両方が並べて書かれている。月々の利用料とは別に、入会金や備品購入費のような初期費用がかかる施設もある。契約前に、月額に何が含まれ、何が別料金なのかを確認しておく必要がある。
放課後子供教室は文部科学省の管轄で、学童保育とは別の事業になる。料金は無料から数千円程度と説明されている。宿題を見てもらうだけなら無料で参加できる一方、工作のようなカリキュラムでは教材費がかかる。ただし預かりを目的にした事業ではない。開いている時間や対象学年は、学童と比べて限られる場合がある。
学童とこの教室が同じ小学校内で連携している「校内交流型」もある。全国で6,595か所、そのうち5,486か所は同じ小学校の敷地内で実施されている。学童の待機になった場合でも、同じ校内で放課後子供教室の活動に参加できるケースがある。ただし校内交流型は前年より267か所減っており、選択肢として増えているわけではない。
ファミサポの使い方と費用

ファミリー・サポート・センターは、こども家庭庁が制度の枠を定め、実際の運営は市町村が担う相互援助の仕組みだ。子どもを預けたい依頼会員と、預かる側の提供会員がそれぞれ登録する。センターのアドバイザーが日時ごとに引き合わせる形だ。全国では依頼会員が60万人、提供会員が14万人、両方を兼ねる会員が4万人という規模で、送迎や学童終了後の預かりが活動例として挙げられている。こども家庭庁の事業概要に会員数の内訳が載っている。

利用料金は市町村ごとに決まり、全国一律ではない。千葉県習志野市の例では、平日午前6時から午後10時までが1時間700円だ。土曜・日曜・祝日・年末年始は1時間900円になる。習志野市の案内ページに掲載されている料金だ。送迎を頼む場合は、ガソリン代などの実費が別途上乗せされる。
ファミサポだけで週5日をすべて埋めるのは、費用の面でも、提供会員の確保の面でも簡単ではない。学童や民間学童で埋まらない曜日・時間帯だけをファミサポで補う。そういう組み方の方が、現実的に機能しやすい。提供会員の予定が合わない日も出てくるため、複数の提供会員に事前に希望を伝えておく家庭もある。
放課後子供教室という選択

放課後子供教室は、保護者の就労状況に関係なく、その小学校の児童であれば誰でも参加できる。この点が学童と大きく違う。見守るのは地域住民や退職した教師などのボランティアが中心だ。宿題の指導や工作、昔遊びといった活動が組まれる。預かりを目的にした制度ではないため、開所時間が短く、長期休暇中は開いていない自治体もある。
費用の面では、子どもの安全のために保険料として700円から800円前後を集める自治体がある。おやつを頼む場合に100円から200円前後を別に取る自治体もある。基本の参加費そのものは無料という自治体もあり、学童や民間学童とは桁がひとつ違う。
費用の軽さは魅力だ。ただ、フルタイムで働く家庭にとって、この時間の軽さだけで足りるだろうか。放課後子供教室が終わる時間から先をどう埋めるか、別の手段とあわせて考える必要が出てくる。無料に近いという理由だけで、これ一本に絞るのは早い。
4月までの検討スケジュール

学童の利用調整結果が届くのは、多くの自治体で2月下旬から3月中旬にかけてだ。利用不可の通知を受け取ってから4月の新学期までは、実質1か月ほどしか残っていない。この期間にやることを時系列で並べると、動きやすくなる。
結果通知の直後、自治体の窓口に空き状況の再確認と、放課後児童クラブ以外の居場所事業の有無を問い合わせる。続いて、通える範囲の民間学童に見学や資料請求の連絡を入れる。定員がすでに埋まっている施設もある。複数の候補に同時に当たっておく方が安全だ。3月中旬にはファミサポの登録説明会に申し込み、入会説明会と基礎研修を終えるまでの日数を逆算しておく。4月に入ってからは、学童以外の預け先を組み合わせた1週間の時間割を、実際に1週間だけ試してから固定するという進め方もできる。夏休みなどの長期休暇は開所時間が変わる施設もあるため、別に確認しておく。
4月に入っても組み合わせが決まらない場合は、勤務先に時短勤務や在宅勤務の相談を先に済ませておくという逃げ道もある。学童の代替探しと働き方の調整を同時に進めておくと、どちらか一方に絞り切れなくても、その場でしのぐ選択肢が増える。
決める前に確かめておくこと
選択肢を並べたところで、結局どれを選ぶのが正しいのかという問いに、決まった答えはない。子どもの年齢や性格、家庭の勤務時間、通える範囲にどんな施設があるかによって、最適な組み合わせは変わってくる。
確認しておきたいのは、費用の総額と時間の総量が、いま組んでいる働き方と本当につながっているかということだ。民間学童の料金には、送迎や延長保育が含まれているかどうかで数万円の差が出る。ファミサポは時間単価で積み上がるため、週の利用回数を増やすほど月額は民間学童に近づいていく。どの選択肢にも、これで足りるはずだという見立てと、実際に1か月動かしてみないとわからない部分の両方があると考えておいた方がよさそうだ。
費用や時間割だけでなく、子ども自身が新しい場所にどう慣れていくかも、並べて見ておきたい要素だ。慣れた学童の友だちと離れて、知らない場所に一人で通うことになる場合もある。見学のときに子どもの反応を見ておくと、後から時間割を組み替える手間が減る。
学童に入れなかったという知らせは、たしかに慌てさせられる出来事だ。ただ、代替の仕組みは複数あり、組み合わせる余地も残っている。焦って一つに決め切る前に、通える範囲にある選択肢を一度並べてみることから始めてもよいのではないだろうか。見学の予約や資料請求は、電話一本、メール一通で済む場合がある。動き出す最初の一歩は、思っているより軽い。
次に読む
この記事とあわせて
小学校入学までのお金準備度チェック15問・約5分。ランドセルや学用品の予算、就学時健康診断や就学援助の手続き、入学後の毎月の出費までを3つの軸で見て、次に手をつけることを1つに絞ります。
※本記事は2026年9月時点で公開されている公的機関・自治体・企業の情報をもとに作成しています。学童保育・ファミリー・サポート・センター・放課後子供教室の利用料金や利用条件は自治体・施設によって異なり、内容が変更される場合があります。効果や適否を保証するものではないため、実際の利用にあたっては最新の情報を自治体や施設に確認し、ご判断ください。
